隠れた「爆弾」脳梗塞A
スポーツニッポン(2008/8/13)
「微小脳梗塞」・・・それは気づかないうちに少しずつ
大きくなっていく脳内爆弾のようなもの。
脳梗塞の二回目は、この隠れ脳梗塞"に
どう対処すればいいかを紹介していくことにしよう。
50,60代の15%
脳梗塞には、それまでピンピンしていた人が、
突然バタッと倒れるというイメージが強い。
だから、突発的な病気だと思っている人も多いかもしれない。
だが、本当は違う。
実は、ごく小さな脳梗塞が長い時間をかけてだんだん広がって、
やがて本格的な梗塞へと発展していくことが多いのだ。
そして、この小さな脳梗塞があっても、
多くの人は全く気づかない。
何故なら、たとえこれを持っていても、
ほとんど症状が表れないからだ。
この隠れ脳梗塞"について、
阿部メディカルクリニックの阿部聡院長は次のように話している。
「この小さな脳梗塞は、微小脳梗塞"などと呼ばれていて、
50代、60代の人のおよそ15%程が持っていると
考えられています。
これがある人は、ない人に比べて約3倍の確率で
本格的脳梗塞を起こしやすいとされているのです。
すなわち、隠れ脳梗塞とは、本人の知らないところで
少しずつ大きくなっていく爆弾のようなものだと言えるでしょう」
しかし、「たとえ、隠れ脳梗塞があっても、無症状ときては
予防のしようがないじゃないか」と言う人も多いことだろう。
ただ、この病気には「なりやすいタイプ」が存在するという。
多いリスク因子
「脳梗塞はそもそも生活習慣病を抱えた人が起こしやすい病気で、
高血圧、高コレステロール、高血糖、肥満、運動不足、
ストレス、喫煙、遺伝、加齢などが主なリスクファクターと
なってきます。
つまり、メタボリックシンドロームや糖尿病などが気になる
中高世代が危ないということ。
ですから、こうしたリスクが高い人は、隠れ脳梗塞を
持っているようなつもりで生活習慣の改善に努めるといいでしょう」
(阿部院長)
また、自分でチェックする方法もなくはない。
隠れ脳梗塞があると、手先の細かい作業に支障が出る場合がある。
今回紹介する「大豆つまみテスト」で、その動きを
チェックしてみるといいだろう。
それと、近頃「あれ」「それ」などの言葉が多くなり、
固有名詞が出にくくなってきたという人も要注意だ。
物忘れにも隠れ脳梗塞が関係している可能性がある。
そして、こうした自己チェックをしてみて、
どうしても心配なら、「脳ドック」を受けてMRIなどの
検査をするといいだろう。
自費診療だが、めまいやふらつきなどの症状があるなら、
保険で受けることもできる。
なお、検査を受けて、隠れ脳梗塞が発見されたとしても、
そう慌てる事はない。
今はいい薬があるし、それ以上大きく広げないようにすれば
支障はない。
それに、脳梗塞は生活習慣病のようなものだから、
日頃から摂生をしていればさほど怖くない。
生活習慣を改善しさえすれば、
自分で自分の身を守ることができるというわけだ。
マメで見つかる
「大豆つまみテスト」セルフチェック
30粒を1分30秒
・30粒ほどの生の大豆が入った皿と、何も入っていない皿を
用意して、大豆をひと粒ずつ箸(はし)でつまんで移し変えます。
制限時間は1分30秒。だいずを中々つまめなかったり、
制限時間以内にできなかったりした場合、
隠れ脳梗塞がある可能性があります。
心配な点があったら脳ドックへ
・脳ドックは、無症状の人を対象にMRI(磁気共鳴画像装置)を
はじめとした検査を行い、脳血管障害やその危険因子を
未然に発見しようという機関だ。
検査項目は、問診、血液・尿検査、心電図、頭部MRI、
頭部・頸部(けいぶ)MRIなど。これによって
「隠れ脳梗塞」をはじめ、脳卒中や脳動脈瘤(りゅう)の
リスクがどれくらいあるかを調べてしまおうというわけだ。
例えば、血縁者に脳梗塞で倒れた人がいるような場合や
メタボリックシンドロームを指摘されているような場合、
隠れ脳梗塞を持っているリスクが高いといえる。
心当りがある人は前向きに検討してみるといいだろう。
女性更年期すぎ
生活習慣改善を
・男性の場合、脳梗塞は生活習慣病を抱えた中高年に多い。
つまり、日頃の不摂生の積み重ねが血管を詰まりやすく
しているわけだ。だが、女性の場合はメカニズムがちょっと違う。
女性の脳梗塞患者は閉経後におおくなる。
というのは、閉経後は女性ホルモンの分泌低下によって、
コレステロールが急増する。
これによって動脈硬化が進み、脳の血管を詰まりやすく
なるのである。
すなわち、更年期すぎの女性は、男性と同様に
細心の注意を払わなくてはならない。
ぜひ、夫婦の歩調を合わせて、
脳梗塞予防に取り組んでみてはいかがだろう。
(メディカルライター・高橋恭一)
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