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映画が始まると、観客は暗闇を走りゆく夜汽車の中にいる。ヘッドライトのうすらあかりにうかぶ二本のレールと、いっさんにのみこまれてゆく敷石とに、じっと見入りながら。自ら乗ったのか、誰かに乗せられたのか。どこから来て、どこへ向かうのか。催眠術師の声(マックス・フォン・シドー)が、観客にこの映画の主人公になるよう語りかける。緊張感の満ちわたる音楽。夜汽車は物々しくひた走り、催眠術師の声が10を数えると、観客は脱出できない牢のごとき<ヨーロッパ>の中にいる。 (2005/09/29) |
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