高知県と徳島県をつなぐ「四ツ足峠」。この獣しか通れないとさえ思われる峠を、木頭林業地へと向かった智頭林研が、そこで見たものは…
橋本光治氏。徳島県東南部に広がる木頭林業地帯の一角で約70haの山林を経営する専業林家である。「自然生かす山林経営」と言われる氏の山林は、スギ林と広葉樹の混交林や複層林で構成されており、針葉樹の一斉林が多い木頭林業地の中でも異色であった。
氏に自らその経営を語ってもらおう。
「現在、安い間伐材でも1万5千円くらいには売れるでしょ。1日4m3出せば6万円、月20日とすると120万、年間1,440万円ですわ。かりにその半分でも720万円。自分で出せば出費は土場からの運送費と重機などの燃料代くらい。なかなか計算どおりにはいかないが、山の中には5万、10万円という木もあるでしょうから、それらを組み合わせていけば、林業も捨てたもんじゃない。」*1
林業が苦しいと言われ続ける中、この元気発言の秘密は、200m/haにも及ぶ延長約14kmの、高密度な作業道網にある。氏は、この作業道を妻延子氏との共同作業により14年間をかけて開設してきている。
幅員は2m。搬出に使用する2tトラックがぎりぎりで通る幅である。車は、徒歩でもスニーカーの底が滑るほど急で、切り返さないと曲がれない急カーブを曲がるたびに、上へ上へと登っていく。こまめに補修するとはいえ、横断工・縦断溝がほとんどないにもかかわらず、ガリ一つ生じていない。急傾斜地であっても、基盤整備は工夫次第と思い知らされた。
氏が、作業道を開設するのにどんな点に気をつけているかうかがった。
(1)肩の高さ(1.4m)を超える切り土はしない。
(2)谷側の木を路体支持のため残すとか、表土は上層に、下層土は下層になるよう盛り土を行うなど、自然力をうまく利用する。
(3)直線部は搬出の作業場所と考え、できる限り勾配をつけず、高さは急カーブで稼ぐ。
視察後の懇談会、「私の経営は、200〜300haの山持ちのやり方ではありません。あくまで、70haの経営です。」そうきっぱり言い切られた氏の顔が忘れられない。
ゾウにはゾウの、ネズミにはネズミの生き方…経営規模にあったやり方があるサ!
(注)*1 現代林業 平成8年1月号 特集○元気印の林業経営「妻と道づくりにかけた12年」
*2 林業新知識 平成9年4月号 「山づくり指南4」

初春にあたり、林業振興課長の山本が皆様にごあいさつ申し上げます。
明けましておめでとうございます。皆様には大変お世話になっておりまして、ありがとうございます。寅年の輝かしい新年を迎えましたが、何か逆風が吹き続けているような、日本列島であります。
さて、平成10年がスタ−トしました。昨年暮、来年度の政府予算(案)の発表がありましたので、その概要をお知らせします。
まず、昨年来の行財政改革の論議の中で、省庁の再編が色々と検討されました。結果としては、農林水産省はそのままの形であり、林野庁もその中で従来どおりに存続することとなりました。予算は、農林水産省全体で、33,756億円で対前年比94%に下がりました。これは、前述した行財政改革の中で、公共事業が平成10年度から7%カットされたことなどによるものです。農林水産省の公共事業は全体で対前年比89%の17,439億円と大幅に削減されております。
その中で、林野庁分は、総計4,759億円で対前年比89.4%と大きくダウンしています。その内訳は、公共事業(林道、治山、造林)が、89.1%の3.899億円で、非公共事業(林構、普及、林産、病害虫、金融等)が、90.7%の860億円となっています。
主な新規事業には、間伐等の森林整備と林道、作業道等の一体的整備を行う「間伐等森林整備促進緊急条件整備事業」に40億円、「水土保全森林緊急間伐対策事業」に84億6千万円があります。これは森林の公益的機能をより高度に発揮さるため、集団的な間伐の実施とその基盤整備(林道等)及び効率的な林業機械作業システムの整備を集中的に実施する事業です。これらの新規事業を含めて、来年度の具体的な箇所付け等については、これから国や県庁本課との間で詰め、今年度並の事業ができるよう頑張っていきます。
ところで昨年は、国有林野の改革問題が林業を取り巻く話題の中で大きく取り上げられました。これは、国有林の累積債務が3兆8千億円にもなったことによるものです。もはや、国有林特別会計という独立採算では駄目で、抜本的な改革をしなければいけないと認識されました。そして、3兆8千億円のうち、その約1/4にあたる1兆円については、国有林野が、木材や資産の売却、人件費の削減等自らの力によって50年間かけて償還することになります。残りについては、自力返済は不可能とし、一般会計で承継して償還することになるようです。そして、この債務については、安い金利への借り換えによって、1,560億円の利払い費を710億円にして、大蔵省と農林水産省がその半分づつを負担することとなります。大蔵省はその財源として、たばこ特別税の創設等によって拠出し、旧国鉄の債務返済ともども、振り分ける考えのようです。そして、あと半分の355億円の農林水産省分については、当然省内の一般会計の予算の中から捻出することになりますので、このシワ寄せは当事者の林野庁にかかってくるのです。したがって、林野庁の予算が厳しいものとならざるを得ません。
このように、厳しい状況ではありますが、国有林の問題を契機として、森林や林業が大いに国民的話題として論議され、その公益的機能や環境問題がクロ−ズアップされることは、大変に意義のあることではないかと思います。
とにもかくにも、厳しい状況です。「金」のないときは「知恵」を出せ、「知恵」のないときは「汗」をかけ、と言います。林業に携わる私たち、「知恵と汗」を出しながら頑張りたいと思っております。今年もよろしくお願い申し上げます。

鳥取市美萩野から八頭局林業振興課まで23kmの道を50分かけて通勤します。その間、27カ所の信号があります。待ち時間に隣の車を見ると、「髭を剃っている人」、「化粧をしている人」、「電話をしている人」さまざまです。私はこのときを利用して簡単な運動をしています。
まず、両手の指を合わせ、手首を直角に曲げ強く両方から約10秒位押し当てます。次に、指をあわせたまま親指から小指までクルクルと順次回して行きます。まだ眠い身体がだんだんと暖まり、掌が赤くなって運動の効果があります。
ためしてガッテン!
私は車の中にヒノキの木片の入った箱を乗せています。車に乗り込んだ時、ヒノキ独特の香りが車内に満ちて清々しく感じ、思わず深呼吸をします。すると心地よく運転することができます。
木の香りはイライラを抑え、リラックスした気分にもさせてくれます。また、木の香りには、かびや細菌の繁殖を抑える機能があります。古くから鯛にヒノキ、赤飯にナンテンなどが使われています。飾りだけでなく、食品が腐るのを防ぐことにも役立っているのです。
あなたも車内に木片を置いて、森林浴気分を味わってはどうですか。皆さん!

林 和里 氏(船岡町)
平成9年10月森林国営保険制度創始60周年記念表彰において農林水産大臣表彰を受賞
森林保全巡視員や県営林管理員として、長きにわたり林野火災予防等森林保護の任に当たられ、その功績は顕著。炭焼きや林業研究グループ活動も活発。
長谷 寅雄 氏(佐治村)
平成9年11月全国林業経営推奨行事において、林野庁長官賞を受賞
長年にわたり造林を推進し、適正な保育を継続され、素材生産業を組み合わせた林業経営。基幹的な作業道とそれを補助する作業道による高密度路網の整備に着手。

千代川流域林業活性化センターが平成9年12月11日(木)と12日(金)に広島県にある(株)ザイエンスと中国木材(株)を視察しました。そのときの内部メモが思わぬところから入手できました。役不足ながら本誌読者のためにこっそりご紹介します。
今回の視察は大規模工場なので、地域の実情にそのままあてはまらないが、規模の大小にかかわらず経営戦略は参考になろうと思われるので、あえて選定した。いずれにしても木材乾燥や防腐処理は必定なので進取でやってもらいたい。視察は、その会社や関係筋の方にアポを取り、実現できた。広い人脈は役に立つことが多い。やはり日頃の営業活動は欠かせない。
(株)ザイエンスの広島製造所には防腐施設、乾燥機、プレカットなどがあるものの、ちょっと古びていた。それもそのはず来年には新工場が稼働するとのことだ。設備投資が極限まで押さえてある。月産1500・もの防腐処理材を生産し、ミサワホーム、セキスイハウス、三井ホーム、住友林業、日本電建、エス・バイ・エルなどに統一単価で販売する。このほか電柱や公園資材など、しめて年間売上186億円とは商人魂に敬意を払わねば.....
「防腐処理工程において、良質の製品作りには乾燥が不可欠だ。乾燥はロスあり、コスト高になるが、時代の要請だ。月に1回の抜取検査でサンプルを取り、試薬で検査。防腐は5年保証、住宅は保証保険で対応。品質管理から施工、アフターまで責任を持ってやっている。」とのことだ。うーん、ものすごい自信である。
中国木材(株)の巨大な製材工場群には圧倒された。径級ごとに製材工場が分かれているのである。さらに乾燥、グレーディング、集成材、プレカットの各施設もありコンビナートである。その経営感覚は世界規模である。原木の寸検さえも相手まかせで、大陸的であった。年間140万・ものベイマツの大径材をスポンジを切るように、たやすく挽いていた。帯ノコの切れ具合は非常に鋭い。多角化しても製材の基本はしっかりと守っていた。両刃の帯ノコが往復運動で易々と挽いていたのも面白い。
「当然、営業にあわせて操業する。長いスパンで物事を考える経営方針だ。目先の損得にこだわらず、年間通して会社の利益が上がることを考える。安定的に良い品質のものを出荷し、電話注文で流通経費を削減する。製材は物流のウエイトが高い。国産材は使うメリットない。乾燥はMC18%以下をめざす。乾燥材でないと住宅にならない。木造のクレームが多くなればシェアを落とすだけ、競争相手に負けないものが必要だ。」ありがたいお話は続く.....
いずれもしっかりとした経営戦略を持ち、顧客満足度を念頭に、売れ筋の商品を提供されていた。お叱りを受けそうではあるが、もって他山の石としたい。

みなさん、コンニチハ!わたしたちは八頭郡椎茸生産振興会のマスコットキャラクターの「しいな&たけお」です。わたしたちは、原木から無農薬で作られたおいしい椎茸を、みなさんにたくさん食べてもらうPRのためにデビューしました。
しいなちゃん:
「八頭郡椎茸生産振興会ってなあに?」
たけおくん:
「八頭郡で原木によって椎茸をつくっている人たちの集まりなんだ。おいしい椎茸をつくるためにいろいろな勉強をしているんだよ。」
しいなちゃん:
「わたしたちは何がきっかけで、デビューすることになったの?」
たけおくん:
「いま、日本で食べられている椎茸の4分の1は、外国から輸入されているんだ。だから、八頭郡椎茸生産振興会のおじさんたちは、水と空気のおいしい八頭郡の原木からつくられた椎茸の良さを、みなさんにわかってもらいたくて、ぼくたちを作ったんだよ。ぼくたちはみなさんとおじさんのために、シールやチラシになって働くぞ。」
しいなちゃん:
「わたしたちはどうやって選ばれたのかしら?」
たけおくん:
「八頭郡内やその近くの学校のお友達が一生懸命考えてくれた103のなかまたちから、県立博物館の先生や八頭郡椎茸生産振興会のおじさんが選んでくれたんだよ。」
皆さん、小売店やスーパーでわたしたちを見つけたら優しく買い物かごに入れてくださいね。わたしたちは健康によい自然食品です。安心してたくさん食べてね!

平成8年、八頭地方では皆さんの御協力により320万円もの募金が寄せられました。森林や緑に対する深い関心と理解を感じます。緑の募金は各町村に還元され、つぎのような活動が行われました。
(1)公共施設に植栽(八頭郡32箇所)
(2)森林の整備
ボランティアとみどりの少年団により、牛臥山に桜を植栽(智頭町)
(3)地区緑化イベント
三滝もみじ祭り(河原町)
みどりの少年団による清徳寺前広場の緑化(八東町)
若桜林業まつり(若桜町)
(4)国際緑化協力
中国河北省と八東町交流10周年記念事業として河北省に桜を植栽(八東町)
平成10年度の緑の募金運動(春期)は3月25日から5月31日まで開催されます。緑の募金を活用して、緑化樹を植栽したり、森林整備に取り組んでみませんか。
緑の募金は、森林・緑を守り育てる皆さんの活動をこれからも応援していきます。

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