(有)応用数理解析

大学(院)生・社会人クラス(微分方程式論)

各コースとも受講希望者が2名以上揃ったときに開講します。



1)
微分方程式論・基礎
 (常微分方程式・偏微分方程式の厳密解) 
  
平成22年8月開講(土曜午後1時ー3時)

2)漸近級数と特異摂動法(微分方程式の体系的近似解法)
   :テキストを森北出版より刊行
   (平成21年1月、22年7月重版)

3)微分方程式の局所漸近解析
  (特異点と臨界点が
解の大域的性質を解き明かす)
   :テキストを森北出版より刊行(平成22年8月)

4)数列・関数列の無限級数
  (基礎からフーリエ級数・漸近級数まで

   :テキストを森北出版より刊行(平成24年1月



 数学・物理学・(応用物理学という側面をもつ)諸工学および経済学・統計学・金融工学を学ぶ大学(院)生・研究者諸君!
漸近級数と特異摂動法(微分方程式の体系的近似解法)を習得し、解くことのできる微分方程式の数を飛躍的にふやしましょう。

微分方程式

「物体に生ずる加速度はその物体に作用する力を質量(重量)で割ったものである」というニュートン力学の基本法則を始め、物理学の法則の大半は微分方程式の形で記述されます。物理学(天文学、地震学、気象学などを含む)やその応用分野である諸工学(電気電子工学・機械工学・船舶工学・航空工学・建設工学・原子力工学など)、さらには経済学・統計学・金融工学の諸問題も微分方程式の形で記述されるのが一般的です。これらの分野での研究・開発に活躍することを目指す理工系・社会科学系の大学生・大学院生諸君にとり、微分方程式を解くことは一大重要テーマです。
では現在、あなたはコンピュータを使わずに何種類の微分方程式を解くことができますか? 指折り数えることができる程で、あとはコンピュータを使う数値計算(Computer simulation)により「力ずくで」解くことに決めていませんか?
もちろん、最後の手段として数値計算は役に立つ方法です。しかし、その場合にも数値計算が正しい答を出していることを確認するために、他のなんらかの方法で正解を得ておく必要があるはずです。
テキスト:
 E.クライツィッグ
「常微分方程式」(技術者のための高等数学 1.)培風館
  E.クライツィッグ「フーリエ解析と偏微分方程式」(同 3.)培風館

大学教育

アメリカの大学では、何十年も前から学期末ごとに学生が教授たちの講義・教育の善し悪しを評価するという制度が確立されているため「研究には熱心だか教育はおろそか」では教授(助教授・講師らを含む)の地位を保つことができません。しかし、日本の大学にはそのような習慣がなかったので、特に「オヤカタ日の丸」の国立大学では教育に熱心な教官の比率は50パーセント程度だったのではないでしょうか?
文部省による初中等教育の統制にも弊害はありますが、高校以下の教科書には当りはずれがないのも事実です。一方、大学教授が何の検定も受けることなく執筆した教科書の中にはかなりひどいものがあります。その講義を受講せざるをえない学生が泣く泣く購入を余儀なくされている、という代物です。

さて、日本の大学では数学の諸分野を「純粋数学」と「応用数学」に大分類します。純粋数学と対置されると応用数学が「不純な数学」であるかのように感ずるでしょう? 数学を志した学生が「第一志望は純粋数学」と誘導され、有能な数学者が純粋数学分野に偏重するのも無理からぬところです。日本の数学教育では応用数学が軽視されているのです。
これと対照的にプラグマティズム(実用主義)の国アメリカの大学では応用数学の研究が盛んで有能な数学者を輩出しています。その優秀な数学者が、数学を利用する立場の数学科以外の学生向けに優れた教科書を執筆し講義をしてくれるのです。私が東京大学の理学部物理学科在籍当時、物理学科の実験が専門の(つまり数学など理論は得意でない)教授が回り持ちで物理数学(物理に利用できる応用数学)の講義をするのに辟易したのと天地の差があります。

大学院教育

科学・技術の進歩した今日、理工系の学科において大学四年の学部教育だけでは十分な教育を施すことができず、大学院へ進学する必要が高まっています。実は日米の大学教育の違いがその大学院教育に最も顕著に表れているのです。
日本の大学院では、よく解釈すれば「性善説」を採用しているのか「大学院生はもう大人なのだから、放っておいても自分で勉強するだろう」という姿勢をとり、研究の指導はするものの、講義を軽視しています。開講する講義数・内容は充実しておらず、取得必要単位数も少ないのです。
アメリカの大学院では学生を絞りに絞ります。ほぼ毎日講義を受ける必要があるほど取得必要単位数が多く、また、学期末の試験は2ないし3時間で解答する程度の問題ですが、毎回の講義ごとに次の週まで一週間じっくり考えなければ解けないような課題を出され、そのレポート作成に追われるのです。その上に個人独自の研究を進めなければならないのですから大変です。
そのアメリカの大学院で応用数学の専門家が理工系の大学院生向けに開講している「微分方程式の漸近解法」は、解くことのできる微分方程式の数を飛躍的にふやすことになる素晴らしい方法です。しかし上述のようなわけで日本のいかなる大学でも教えてもらうことはできないはずです。
戸塚理数塾ではその「微分方程式の漸近解法」を一年間で講義します。常微分方程式論、偏微分方程式論を未習得の方はそこからお教えします。

特異摂動法(微分方程式の体系的近似解法)

微分方程式の漸近解析とは、厳密な解析解を得られない微分方程式の近似解を得るための体系的方法ですが、その近似解が驚くべき精度で正解に一致するのです。
物理学・機械工学・造船工学・航空工学・土木工学・原子力工学など諸学科の学生諸君は流体力学で「境界層理論(Boundary-Layer Theory)」を学習したでしょう。また量子力学では WKB という手法を学習します。
しかし、実は境界層理論や WKB が上記の特定分野固有の方法ではなく、微分方程式一般に適用できる漸近解法の一種であると言われれば驚くのではありませんか?  これらの手法ははさらに 複スケール解析(Multiple-Scale Analysisという方法に一般化されます。
さあ皆さん、微分方程式の漸近解析(Asymptotic Analysis)を習得して、解くことのできる微分方程式の数を飛躍的にふやしましょう。
以下は、平成22年7月刊行予定および、平成21年1月刊行テキストの内容です。


漸近級数と特異摂動法(微分方程式の体系的近似解法)

第1部 序

1章 微分方程式の基本的近似解法とその破綻
 1−1 摂動法 (Perturbation methods)
 1−2 摂動法の破綻T 永年項(Secular terms)問題
 1−3 摂動法の破綻U 
       構造的特異摂動(Singular perturbation)問題

第2部 漸近級数 (Asymptotic series)

2章 漸近級数
 2−1 漸近級数の実用的側面 
       ・・・ 関数の値を精度よく評価する
 2−2 漸近関係と関数の相対的大きさに関する記号
 2−3 漸近級数展開
  2−3−1 漸近関数列 (Asymptotic sequences)
  2−3−2 漸近級数の定義
  2−3−3 漸近級数の性質
  2−3−4 漸近関係・漸近級数の一様性 特異摂動展開  
 2−4 代数方程式の特異摂動問題

3章 積分の漸近級数展開
 3−1 部分積分 
 3−2 ラプラス(Laplace)積分 
              ラプラス変換とラプラスの方法
 3―3 フーリエ積分と停留位相法
              (Method of stationary phase)
 3−4 複素平面積分 等位相法
              (Method of steepest descents)
 3−5 統計学・統計物理学への応用

第3部 特異摂動法 (Singular perturbation methods)
      ・・・ 微分方程式の体系的近似解法

4章 境界層理論 (Boundary-layer theory)
    ・漸近接続 (Asymptotic matching)
 4−1 流体の境界層と境界層理論 
 4−2 微分方程式の近似解法としての境界層理論―基本解法
 4−3 境界層理論の数学的意味 漸近接続
 4−4 内部境界層
 4−5 非線形境界層問題
 4−6 宇宙工学への応用
 4−7 流体中の微小粒子に働く流体力
              (再び流体力学への応用)
 
5章 WKB法 (WKB theory)
 5−1 量子力学のWKB法
 5−2 WKB法の一般化
      ・・・・ 局所破綻と広域破綻 指数関数型の解
 5−3 シュレディンガー(Schroedinger)型方程式
 5−4 シュトゥルム・リゥヴィル(Sturm-Liouville)
        の固有値問題
 5−5 線形境界層問題
 5−6 転回点(Turning points)問題 トンネル効果
 5−7 非斉次線形微分方程式

6章 複スケール解析(MSA(Multiple-scale analysis))
 6−1 永年項問題の解決
 6−2 複数の時間(長さ)スケールの導入
 6−3 ダフィン(Duffing)方程式(非線形摂動項をもつ振動子
 6−4 ファン・デル・ポール(Van der Pol)方程式
 6−5 境界層問題
 6−6 複スケール系列の一般化 WKB法問題
 6−7 宇宙工学への応用

7章 特異摂動法による海の波の解析
 7−1 支配方程式
 7−2 境界条件
 7−3 微小振幅(線形)波
 7−4 一定水深の海上を伝わる単色進行波
 7−5 うなり、振幅変調:振動数の分布をもつ波
                  [複スケール解析]
 7−6 ゆるやかに変化する海底を進む単色波 [WKB法問題]
 7−7 港湾・海岸の線形長波
 7−8 細長い矩形水路で共鳴する長波
                :開口端補正 [漸近接続]
 7−9 音響工学・地震学への応用

{参考資料}

A.特殊関数
 1. ベッセル関数(Bessel functions)
 2. 変形ベッセル関数(Modified Bessel functions)
 3. ガンマ関数 (Gamma function)
 4. 放物円筒関数(Parabolic cylinder functions)
 5. エィリー関数(Airy functions)
 6. ヤコビの楕円関数(Jacobian elliptic fuctions)
 7. フレネル積分(Fresnal integrals)
    と誤差関数(Error fuction)

B.常微分方程式の厳密解を得る基本公式
 1. 非斉次線形1階微分方程式
 2. 斉次線形2階微分方程式
 3. 非斉次線形2階微分方程式
 
4. 斉次線形3階微分方程式 階数降下法
 5. 自律系(非線形)微分方程式 



常微分方程式の局所漸近解析(特異点と臨界点が解の大域的性質を明らかにする)

第1章 局所漸近解析概観1
 1-1 漸近級数展開と漸近関係
 1-2 臨界点まわりの漸近解析による解の大域的性質の導出
 1-3 特異点まわりの漸近解析による超越関数の数値評価
 1-4 特異点の分類
  1-4-1 関数の特異点(解の特異点)
  1-4-2 常微分方程式の特異点I(係数特異点)
  1-4-3 常微分方程式の特異点II(存在一意性特異点)
  1-4-5 特異点が踊りだす(非線形微分方程式)
 1-6 特異点を通過する(乗り越える)数値計算
   [第一種パンルヴェ超越関数]
 1-7 特異解(存在一意性特異点の集合)
 第1章の演習問題

第2章 線形常微分方程式の係数特異点とそのまわりの局所漸近解析
 2-1 係数特異点の分類
 2-2 通常点まわりのテイラー級数展開
 2-3 正規特異点まわりの局所解析(フロべニウス級数展開)
 2-4 非正規特異点まわりの局所漸近解析
 2-5 非斉次線形微分方程式
 第2章の演習問題

第3章 非線形常微分方程式の位相空間解析(臨界点の局所解析)
 3-1 自律系微分方程式と臨界点
 3-2 位相平面上の解曲線
 3-3 位相平面における臨界点の分類
 3-4 線形常微分方程式の位相平面解析
 3-5 非線形常微分方程式の位相平面解析(I)臨界点近傍での線形化
 3-6 非線形常微分方程式の位相平面解析(II)線形近似不可
  3-6-1 線形化できない微分方程式
  3-6-2 中心
 第3章の演習問題

第4章 特異解
 4-1 特異解の発見
 4-2 特異解発生の伏線
 4-3 p-判別式
 4-4 c-判別式
 4-5 特異解をもつ非線形常微分方程式
 4-6 特異解の存在条件
 第4章の演習問題

第5章 前章までの詳細補足と関連公式
 5-1 非線形常微分方程式の厳密解
  5-1-1 1 階1 次非線形常微分方程式
  5-1-2 1 階高次非線形常微分方程式
  5-1-3 高階非線形常微分方程式
 5-2 ベキ級数の収束半径
 5-3 解の存在と一意性(リプシッツ条件)
 5-4 第1 種パンルヴェ超越関数のx = +∞ における局所漸近解析
 5-5 線形斉次常微分方程式の特異点が正規特異点であるための
   必要十分条件(必要条件の証明)
 5-6 特殊関数の諸公式
 第5章の演習問題

演習問題の解答
参考文献


数列・関数列の無限級数(基礎からフーリエ級数・漸近級数まで)

第1部 数列とその無限級数

第1章 基礎事項
 1−1 関数の有界性
 1−2 関数の極限と連続性
 1−3 関数の単調性、
 1−4 関数の上極限と下極限
 1−5 ロールの定理
 1−6 平均値の定理、
 1−7 コーシーの定理
 1−8 テイラーの定理
 1−9 初等関数ほかのテイラー級数展開
 1−10 広義積分
 1−11 漸近関係と関数の相対的大きさに関する記号

第2章 数列と級数の収束
 2−1 数列と級数
 2−2 収束とおよび3型の発散
 2−3 収束条件と基本法則

第3章 定符号数列とその級数
 3−1 基本性質
 3−2 収束の簡易判定法
 3−3 収束の詳細判定法
 
第4章 一般数列とその級数
 4−1 絶対収束
 4−2 条件収束
 

第2部 関数列とその級数

第5章 一般論
 5−1 関数列の一様収束
 5−2 関数列級数が一様収束する条件
 5−3 一様収束する関数列級数の性質
 5−4 ベキ級数
 5−5 無限級数の収束の加速法
  5−5−1 シャンクス変換
  5−5−2 リチャードソン外挿法

第6章 フーリエ級数
 6−1 シュトゥルム理論とシュトゥルム・リゥヴィル問題
  6−1−1 分離定理
  6−1−2 基本定理
  6−1−3 比較定理
  6−1−4 振動定理
  6−1−5 周期的境界条件
 6−2 フーリエ級数
  6−2−1 フーリエ級数展開
  6−2−2 フーリエ級数の収束
  6−2−3 周期的境界条件を満たさない連続関数のフーリエ級数展開
  6−2−4 不連続点を有する関数のフーリエ級数展開
  6−3 フーリエ変換・フーリエ積分
 6−4 フーリエ級数・フーリエ変換の応用
  6−4−1 微分方程式の解法
  6−4−2 時系列データ処理

第7章 漸近級数
 7−1 漸近解析の指導原理
 7−2 漸近級数の定義
  7−2−1 漸近関数列
  7−2−2 漸近級数
 7−3 漸近級数の性質
 7−4 積分の漸近級数展開
  7−4−1 基本的方法
  7−4−2 部分積分法
  7−4−3 ラプラスの方法
  7−4−4 フーリエ積分
 7−5 級数和の漸近級数展開:オイラー・マクローリンの公式
  7−5−1 ベルヌイ多項式とベルヌイ数
  7−5−2 オイラー・マクローリンの公式
  7−5−3 級数和の漸近級数展開
 7−6 微分方程式の漸近級数解


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