物理クラス

    (有)応用数理解析大学生、大学院生の数学クラス



物理クラスこそが戸塚理数塾の看板です。ベクトル・三角関数・微積分など高等数学を駆使して、学校とは全く違う簡潔かつ正確な物理の授業を行います。特に大事な力学・電磁気学・波動に時間をかけて習熟を図ります。
物理学を学ぶと自然界が整然とした姿に見えてくる、ということを実感し、物理学の面白さを体得することにより、学習意欲を増進させるよう教育しています。


高校・物理(A)クラス(木曜6時ー8時)

ベクトル・三角関数・微積分を駆使した、本来の物理学を学びます。天下り的に法則を羅列することなく、ほとんどの法則は基本的原理から導出される定理であることを学びます。
平成21年6月開講。静力学(つりあい)を終了し、8月現在、運動量保存則から、円運動・単振動・万有引力に進みつつあります。問題演習を重視します。

高校・物理(B)クラス(木曜8時10分ー10時10分)

ベクトル・三角関数・微積分を駆使した、本来の物理学を学びます。天下り的に法則を羅列することなく、ほとんどの法則は基本的原理から導出される定理であることを学びます。
平成20年9月開講。力学・熱力学・波動・静電気学・電流による磁場を終了し、平成21年8月現在、交流回路を学習しています。問題演習を重視します。

中学の物理は春夏冬季講習の中で開講します。


自然科学は物理科学と生物科学

伝統的な生物学者・博物学者は、有名な牧野富太郎のように新しい種を発見してゆくのが研究の中心であり、彼らは等しく写生に秀でていました。これに対して、物理学者は数学を駆使して自然界を支配する数少ない法則を追究します。今日においても、それらが融合した境界分野というものはあるものの、工学と呼ばれる応用技術も含めた自然科学は物理科学と生物科学の二つの分野にほぼ大別できます。
高校から本格的に学び始める物理学は、すべての物理科学の基礎となるものです。物理学の基礎を身につければその理工系応用分野へ楽に入ってゆくことができます。また高校で物理学を選択しなかった人々から「化学、生物、地学はいくつになってからでもやり直せるが、物理は高校でやっておかないと取り返すのは難しい」という後悔の言葉をしばしば聞きます。

物理学では暗記は不要

一寸難しい言葉を使いますが、物理学の方法論の一つの柱は「総合」と呼ばれるもので、表面的には無関係に見える複数の自然現象を統一して理解することです。これは、次の節で簡単な実例を用いて説明します。
それゆえ、物理学では暗記しなければならないことはごく少数だけ、というより、重要な事項はそれを理解すると自動的に頭に刻み込まれてしまうと言っても過言ではありません。
これは化学で、周期律表や物質の色、匂いなど、ただただ暗記しなくてはならないものが沢山あるのと好対照です。周期律表を覚える際に「そういうものだ」と教わる「電子の一番内側の軌道は定員が2個、二番目の軌道は定員が8個」というような事実も大学後期課程の物理学で量子力学を学ぶことにより初めてその理由が明らかになります。

自然界が整然とした姿を見せてくる

物理学を学ぶと自然界が整然とした姿を見せてくる、というと大袈裟に聞こえるでしょうか。あらゆる自然現象が物理学のほんの一握りの数少ない法則のみで統一的に理解できます。その美しい体系を実感するために 物理学を学ばないという手はありません。ただ、物理学を学ぶためには、その道具としての数学の素養が必要であるため、ある程度数学の学習が進むまでその果実を味わうのはお預けとなります。
しかし、高度の数学を知らずともその果実のお味見をできる例がいくつかあります。ここではその内の一つ、一見何の相互関係もなさそうな自然現象が、一つの物理法則により実は密接に関連していることが解る例を紹介します。それは、次の四つの自然現象のセットです。物理学を学んだことのない人にとっては、これら四つの自然現象の間になにか関連があるなどとは思いもよらないことでしょう。
「夕焼けは赤い」
「地球の空は青い」
「月の空は黒い」
「地球は青かった」(人類最初の宇宙飛行士ガガーリンの言葉

さて、我々地球人は、晴れた日の空が青く輝いていることに慣れ親しんでいますが、月の空は太陽の出ている昼間でも、太陽、月、星のあるところが明るく輝いているだけで、その他の大部分の空は漆黒の闇となっています。そういえば、地球の夜空も月や星のあるところだけ明るく輝き、光の来ない方向は漆黒の闇となっています。光源のある方向だけが明るい、月の空や地球の夜空の方がむしろ当然なように思えます。

では地球の空はなぜ青いのだろう?  その疑問を解くために、地球の空と月の空の違いを考えてみましょう。地球と月の相違というと、重力の大きさ、大気と水と生命体の有無・・・と思い浮かびますが、その中で地球と月の空の違いに関係あるのはどうやら大気の有無のようです。地球の空にはその直径に比べれば千分の1程度とごく薄いものの、月の空にはない大気の層があります。窒素、酸素それに水蒸気などを主成分とするその大気中には、さまざまな大きさのチリ(ゴミ)がただよっています。
ここで、海岸に打ち寄せる波を思い出してみましょう。波の峰から次の峰までの長さを波長といいますが、10メートルかそれ以上の波長の波は2メートル程度の大きさの海水浴をしているあなたに出会っても「なにくわぬ顔で」通り過ぎてしまいます。しかし波長より大きい構造物、例えば防波堤に出会うと行く手を遮られて反射したり、進行方向を変えさせられます。自分の波長より小さい障害物には反応せず、同じか大きい障害物によって進行方向を曲げられるというのは波の一般的な性質なのです。
光も電磁波という波の一種です。太陽から来る光、太陽光には赤から紫にいたるすべての色調の光が含まれています。この色が波の波長に対応しています。虹の七色で言えば、波長約0.7ミクロン(1ミクロンは1ミリの1000分の1)の赤から波長約0.4ミクロンの紫まで順に波長が短くなっていきます。

大気中にただよっているさまざまな大きさのチリのうち0.7ミクロンと0.4ミクロンの中間の大きさのチリは、赤い光には邪魔になりませんが、青や紫の光にとっては重大な障害物です。つまり、波長の長い赤系統の色調の光に比べて、波長の短い青系統の色調の光は、大気中の細かいチリにより進行方向を曲げられるチャンスが多いのです。この現象を「選択散乱」と言います。散乱された青(紫)系統の色調の優勢な光が空のあらゆる方向から目に届くので地表に住む我々は「空は青い」と感じるし、地球の外側へ散乱された青系統の光を見た宇宙飛行士ガガーリンは「地球は青かった」と言ったのです。
朝焼け、夕焼けは、地平線近くに見えます。その方向から来る太陽光は、薄い大気の層の中をほぼ水平方向に長く通過してくるので、その間に青系統の光が大部分散乱されてしまい、いわばその抜け殻の赤系統の光が雲を赤く染めているのです。
こうして、初めに掲げた四つの自然現象が、光の波長による選択散乱という一つの現象のさまざまな現われ方であったことが分かります。図1はここまで解説した太陽光の選択散乱の様子を図示したものです。ただし、大気層の厚さを誇張してあります。

天気予報

私は、天気予報というテレビ番組があまり好きではありません。予報が当たらないだけでなく、気象という地球物理学の科学番組であるのにもかかわらず、表現をことさらあいまいにしたり、ときには間違ったことまで言うことがあるからです。あまりひどい時は消音にして天気図だけを見ていることもあります。その例をいくつかあげてみましょう。


図2 西高東低の気圧配置と季節風の向き



















冬季の天気図を解説しながらこんなことをよく言っていませんか?

「大陸からの冷たい北西季節風が日本海をわたる間に対馬暖流の湿気を取り込み、これが本州中央の山脈にぶつかって雪を降らせる」  また、季節によらずこんなことを言います。
「前線付近で暖かい空気(高気圧)と冷たい空気(高気圧)がぶつかって雨を降らせる」
この説明を聞くといつも、水に濡れた犬がブルブルッと身体を震わせて水をはじきとばす姿を連想します。本当に、湿気を含んだ空気は何かにぶつかって雨や雪を降らせたりするのでしょうか? 答はもちろん否です。湿気を含んだ空気はその温度が下がったときにのみ雨や雪を降らせるのです。ではなぜ、季節風が山脈にぶつかったり、高気圧同士がぶつかると温度が下がるのでしょうか?それは「断熱膨張」という現象が起こるからです。詳しくは教室でご説明します。
また、耳障りなのは、冬に暖かい日があるとことさら「三月並みの気温でした」などと言い、三月末から四月初めのお花見の時期には「昨日の最低気温は二月末並みでした」とか「明日の最高気温は五月並みでしょう」などともったいぶった表現が氾濫します。そう聞くとほとんどの人は「平年の気温と違うからその日が異常に暑い或いは寒い日である」かのように感じるのではないでしょうか? とんでもありません。逆に、毎日平年の気温が続こうものならそれこそ地球の歴史始まって以来一度も起こっていない異常気象です。
海岸で波が打ち寄せては返してゆくのを長い間ぼんやり観察しているといつの間にか潮位が変化しているのに気づくものですが、毎日平年の気温が続くというのは、いわば波の寄せ返しが全くないままジワジワッと潮が満ちてくるようなものです。想像しただけでもなにか奇怪な現象ですね。
まだまだあります。冬の典型的な西高東低の気圧配置(図2)を示しつつ、季節風が高気圧の中心から等圧線を横切って東の低気圧の中心へ向かって吹いてくるような図がよく出てきませんか? もしそれが本当なら日本の冬はこんなに寒くならない筈です。

以上、天気予報番組に散見される問題点のうち代表的なものをを列挙しましたが、詳しくは教室で解説します。


力学の履修に微積分学は必須

紀元前の古代ギリシャ時代に、有名なピタゴラスやアルキメデスなどが出現して奇跡的な発展を遂げた西欧の数学・科学技術は、そのあと16世紀に突如急速な発展を再開するまでほとんど冬眠状態でした。その16世紀に急激に進歩した科学技術に合わせて、その道具としての必要性から、今日の微積分を始めとする近代数学が形成されました。つまり、物理学の基礎である運動する物体の力学を記述する道具として微積分学は生まれました。また、力学の基本概念である位置、速度、加速度、力などはいずれもベクトルです。ところが、現在の高校教育では、2年生で物理学の力学を習い始めるまでにまだ微積分・ベクトルの勉強を始めていないのです。微積分を使わずに力学を学習するというのは、まるで、せっかく東海道新幹線を敷設してあるのに高校生に徒歩で大阪まで修学旅行にゆけと命ずるようなものです。そこで、戸塚理数塾では、高校2年の物理を履修する以前の高校1年で微積分学の基礎・ベクトル・三角関数などを学習する数学特別クラスを設けています。

数学、物理を学習しながら論理的思考の訓練をすると、ご家庭で親御さんの発言の揚げ足取りをするようなことがあるかもしれません。反抗期とも重なり、親御さんとしては不愉快な想いをされることもあるかと思いますが、お子さんの精神の成長過程として暖かく見守っていただきたいものです。

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