ぼくらの想い
について



そしてぼくらは本を出した。

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ある日、居酒屋で、ある大学生が言った。 本を出すのが夢なんです、と。
人を集めれば出せるよ……と、話が盛り上がり、その年の秋には本ができた。



   小学校のとき、文集を作った。自分のページに、絵を描いたり作文を書いたり、写真を貼ったりして、それを先生が印刷して表紙をつけてホチキスでとじてくれた。結構、宝物にしてる人は多いんじゃないかと。

 彼らは本を出そうと思った。今の気持ちを残しておきたい。人に伝えたい。手に重みのある印刷媒体でつくりたいと思った。
 オトナだから、ちゃんとした印刷と製本で作ろうと思った。できれば本屋さんの棚に並べたいと思った。
 ひとりが1冊を作ろうとすると、お金もかかるし、書くのも大変だ。1ページ単位1万円からなら、なんとかなる。
 で、出版社に電話してみた。
 

 彼らは、自分の宝物にするだろう。
 家族や大事な人にプレゼントするに違いない。
 知り合いが書いていると知れば、まずそのページを見るだろう。

 で、赤の他人の私としてはどうなのか。

 世界にひとつだけの花、ではないが
 リアルに重量を持って輝くオンリーワンについて思うのである。
 この数十人のなかには、世間的に、すごいことしてる人もいるし、そうではない、
 いわゆるフツーの人もいる。
 
 ただ、みんなそれぞれ違う体験と歴史を現実を持ち
 その輝きに圧倒されるのである。
 町ですれ違う人の一人ひとりがそれぞれの想いを抱えてる。

 それにしても、いい人ばっかりだなあ。みんないい人だ。好きだなあ。
 世の中の人たちって、みんな、こんないい人たちなんだろうけど
 これだけの人たちが、その人のまんまのいい人っぶりをさらしてるってのがすごいと思う。
 それに、まじめだなあ。みんな。

   この本を読んで、ひとを「近頃の若いモン」とか言って一括りにするのは
 とても乱暴なことだと気づく人もいるかもしれない。
 まだまだ日本の若者は捨てたもんじゃない、と  思う人もいるかもしれない。

 ともかくこの本を手に取ってみてほしい。
 そして、ページの向こう側にあるその人の世界に心をはせてみるのだ。
  (遠藤順子)
          
                                   
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