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ミンズラーメンは、知ってる人は知ってる、門司一番の人気店。外見はごく普通のラーメン屋で、調理場を取り囲むカウンター席のみ。ギョーザやビールがメニューに載っているところもとても普通。テレビがあるのも普通。ただ、開いているときは、すくなくとも私が行ったときは必ず行列ができている。 その行列の秩序には驚かされる。満員の店の中でカウンター席の後ろに立って席が空くのを待つのだが、どの席が空いても、必ず先に入店した客から順に、他の立っている客が席をすすめるのである。席とりの醜悪な争いは、この店では見たことがない。 ほとんどの客は黙々とラーメンを食べる。ビールを注文する人もいる。それを非難がましい目で見る人など誰一人としていないが、ビールを頼んだ人は確かに、浮いている。 黄金色のスープは絶品。豊かな味わひ。 食べ終わるとニコニコと店主が客のひとりひとりに聞く。「いかがでしたか」。思わず「たいへん結構なお味でございました」と答えたところで、ありゃ?と思う。 ここは確かにラーメン屋なのだが、これでは……まるで、茶室である。花や軸があるわけでもない、器も普通のラーメン丼だが、おいしいラーメンを食べさせたい主人の心と、客の秩序が、まさに茶道を思いおこさせるのだ。 2006年1月、更新(写真追加) |