3.化学エネルギーを電気エネルギーに返還する実験
(1)マグネシウム板を用いて
昨年,マグネシウム板が実験用素材として安価な価格(1枚あたり40o×90o(厚さ0.4o)が
20枚入りで500円(送料別))で下記サイトから購入できるようになりました。
大阪富士工業株式会社
くだもの電池では,マグネシウムリボンと他の金属板
との組み合わせで実験を行ってきましたが,わずかな
時間でマグネシウムリボンが溶けてしまうなど難点が
いくつかありました。
このマグネシウム板を用いると,簡単で生徒にも納得の
いく実験となります。さらに,マグネシウム板の活用例と
して空気−マグネシウム電池を紹介します。
空気−マグネシウム電池は,
新潟県教育センターに在職された小林明郎氏が考案され,
平成11年度東レ理科教育賞で佳作受賞された作品です。
なお,製作行程については,東レの理科教育賞の冊子か
ウェブサイトを参照して下さい。
上がマグネシウム板,
下がマグネシウムリボン
【くだもの電池】
○用意するもの グレープフルーツ,マグネシウム板,銅板,輪ゴム,モーター,光電池モーター,
電子オルゴール,プラスチック製コップ, 2〜3%過酸化水素水(なくても良い。),
リード線
用具として 紙ヤスリ,スポイト,アルコールランプ(ガスバーナー)
C上の図のように輪ゴム
で止める。
○極板の製作手順
@マグネシウム板と銅板をはさみで切る。
金属板の表面はよく磨いておく。極板の
大きさは大きいほど,電池としての容量
は大きくなるが,グレープフルーツなどの
果物に差し込むことを考慮すれば,上の
図の大きさが望ましい。
A電池の分極を防ぐために,銅板の表面
をかるく焼いて酸化銅の被膜をつくる。
B金属板より少しだけ大きいろ紙
を上図のようにマグネシウム板と
銅板の間にはさみ込む。
○実験
右の図のように果物に差し込み,モーター
をつなぐ。
○留意事項
● モーターの回転が止まったら,電極を取り出し,
マグネシウム板は紙ヤスリで再度磨き,銅板を軽く焼くとよい。
● 2〜3%過酸化水素水をスポイトでグレープフルーツに差し込
んだ電極にかけるとモーターがよく回転する。この場合,過酸化水素水は減極剤である。
重要
● マグネシウム板と銅板の組み合わせでは,通常のモーターが回転する。
この組み合わせにおいて,ソーラーモーターは破損するおそれがある。
● くだもの電池で用いた「果物」は絶対に食べてはならない。
○実践例
@ いろいろな金属板を組み合わせて,次の器具がどうなるか調べて下さい。
・モーター(モーターが回らなかったら,ソーラーモーターにつなぐ。)
・豆電球 ・点電球 ・電子オルゴール ・LED
A どちらが正極,負極になっているか調べて下さい。
B 一番,大きな電圧を生じた組み合わせはどれですか。
C 何がわかりましたか。
【空気−マグネシウム電池】
マグネシウム板を活用すると高出力で生徒にも自作が
可能な空気マグネシウム電池ができます。
○用意するもの
マグネシウム板(40o×90o),
活性炭(1o程度に砕いたもの,3g)
60メッシュ銅網3枚
(A:40o×85o,B:5o×80o,
C:5o×80o)
コーヒーフィルター
(50o×100o,20o×100o),
フィルムケース,食塩,水
用具として 試験管
(マグネシウム板と銅網を丸めるため)
○製作 (中学生でも,20分程度で製作可能)
○実験
モーターと配線をし,フィルムケースの底から1p程度まで,
食塩水を注ぐ。
○実践例
@ 次の器具がどうなるか調べて下さい。
・モーター ・豆電球 ・点電球 ・電子オルゴール ・LED
A 電圧と電流を測定しましょう。
B フィルムケースを触るとどうですか。また,中の様子はどうですか。
C 回転が止まったら(翌日以降),金属板の様子を見てみましょう。
D 何がわかりましたか。
(どんなエネルギーが何エネルギーに変わりましたか。)
○留意点
● 活性炭の代わりに、乾電池の正極活物質(乾電池の内容物)を
用いるとさらによく回転する。
写真左上がマグネシウム板,
右側が銅網
プラスチック製コップ
30o
20o
60o
マグネシウム板
銅板
ろ紙
マグネシウム板
銅板